ヨトウムシ(ハスモンヨトウなどのヨトウガの仲間の総称)
夜中に地上に出て来て、葉っぱを食害するイモムシなので夜盗虫です。大きくなってくると、葉っぱをボロボロにしてしまいます。特にネギは、大型のハスモンヨトウ、小型のシロイチモジヨトウに好まれます。
発生時期
初夏の6月頃にも発生しますが、秋口の8~10月に発生のピークがあります。日中は地中に棲むので、天敵があまり機能しないのも特徴です。
予防方法
卵を産みつけられてから、孵化すぐの幼虫は地面に潜らず、葉裏に潜みます。この時期に葉っぱごと駆除するのが良いです。
駆除方法
地中にいるヨトウムシ相手に、木酢液や草木灰などを薄めて散布する方法が知られています。また、米ぬかなどでヨトウムシを誘引して殺してしまう方法もあります。
ネギコガ
小さな黒っぽいガで、ネギの葉の内側から表皮を残して食い荒らします。食べ痕は、白い筋状に見えます。葉の中に潜るために、手による駆除が難しくなります。
発生時期
春先から夏にかけて、数回の発生のピークを迎えます。
予防方法
メスによる産卵を防ぐために、株が小さいうちから防虫ネットをかぶせることが有効です。かなり小さい蛾なので、ネットの網目は細かいものである必要があります。
駆除方法
幼虫が孵化してからは、葉っぱの中に潜ってしまうので防除が難しくなってしまいます。
ネキリムシ(カブラヤガの幼虫)
ネギの根をかじってしまうのでネキリムシです。根がやられてしまうと、株が枯れてしまう恐れがあります。
発生時期
4月から10月ぐらいの初夏~秋にかけて発生します。レタスでは春先の被害が多いようです。成虫は灰色のガで、あまり目立ちません。
予防方法
カブラヤガは自然ではイネ科雑草の根や葉っぱを食べています。そのため、雑草駆除が遅れて大きくなった雑草を抜くと、レタスへと移ってきます。周りの雑草をこまめに引き抜き、侵入させないことが重要です。
駆除方法
カブラヤガの幼虫は夜行性で、昼間は株の周りの土中に潜んでいるために駆除は困難です。被害が大きくなったら、夜間の直接駆除を時間をかけて行います。
ネギアザミウマ
成虫、幼虫ともにネギの仲間に寄生し、口から植物の汁を吸ってしまいます。植物を弱らせるだけではなく、ウイルス病なども媒介します。単為生殖で増えるので、油断をすると一気に大爆発します。
発生時期
特に夏に一気に数が増えることがあります。とても小さな昆虫なので、大発生する前は気づきにくくもあります。発生して個体数が増えると、葉っぱがくすんで汚れたように見えます。
予防方法
成虫が侵入するのを防止するために、防虫ネットを貼ったり、もしくは光による防除効果が高いことが知られています。後者は、紫外線カットフィルムや、光反射マルチなどを準備することで効果が高まるようです。
駆除方法
大発生して密度が高くなると、完全な防除が難しい害虫です。数が少ないうちに、捕食性の天敵であるカブリダニ類などを用いて防除するのが適しているでしょう。
アブラムシ(ネギアブラムシ)
新芽にたかり、葉の汁を吸うと共にウイルス病を感染させてしまいます。昆虫としては珍しく、卵胎生のため自分のクローンをどんどん作り出し、圧倒的な繁殖力を誇ります。ネギにつくのは、黒い「ネギアブラムシ」が多いです。
発生時期
南方だと、春~秋まで発生します。特に3月には、翅の生えたメスが飛んで来て、増殖が一気に始まります。
予防方法
メスの飛来を防ぐために、シルバーマルチやシルバーテープといった、反射光を使って玉ねぎへの着地を阻害する方法があります。
駆除方法
少数の個体相手には、牛乳による霧吹きが効きますが、目が届かない所も出てしまうのでこまめな措置が必要です。クサカゲロウやテントウムシなど、生物農薬が多く開発されており、こうした益虫を放すことが効果的です。