ブロッコリの害虫

アオムシ(モンシロチョウの幼虫)

キャベツの害虫のイメージが強いアオムシですが、同じアブラナ科植物であるブロッコリーも大好きです。バリバリと葉に穴を開けながら食べていき、気が付くと葉がほとんどなくなってしまうことも。

発生時期

蛹で越冬し、越冬後の春先と、秋口に数を増やします。畑の上を、白いチョウとして飛ぶので目立ちます。

予防方法

成虫の産卵を避けるために、株が小さいうちから防虫ネットで包んでしまうことが効果的です。葉の裏面にも産卵、小さな幼虫がいますので、防虫ネットをかけるときにはその内側に小さな虫がいないよう気をつけて下さい。

駆除方法

葉の間に入るため、食痕を確認して一匹ずつ駆除します。色が白っぽい緑色で、ブロッコリーの葉と似ているため、たんねんな観察が必要です。


ネギアザミウマ

ネギの大害虫ですが、ブロッコリの若芽も大好きです。成虫幼虫共に、口から植物の汁を吸ってしまいます。特に若い苗だと、植物を枯らしてしまう場合もあるので注意。植物を弱らせるだけではなく、ウイルス病なども媒介します。単為生殖で増えるので、油断をすると一気に大爆発します。

発生時期

特に夏に一気に数が増えることがあります。とても小さな昆虫なので、大発生する前は気づきにくくもあります。発生して個体数が増えると、葉っぱがくすんで汚れたように見えたり、白斑ができてしまいます。

予防方法

成虫が侵入するのを防止するために、防虫ネットを貼ったり、もしくは光による防除効果が高いことが知られています。後者は、紫外線カットフィルムや、光反射マルチなどを準備することで効果が高まるようです。

駆除方法

大発生して密度が高くなると、完全な防除が難しい害虫です。数が少ないうちに、捕食性の天敵であるカブリダニ類などを用いて防除するのが適しているでしょう。成虫の数を調べるために、黄色や青の粘着トラップを用いて、そこにくる成虫の個体数を調べる方法があります。


ヨトウムシ(ハスモンヨトウなどのヨトウガの仲間の総称)

夜中に地上に出て来て、葉っぱを食害するイモムシなので夜盗虫です。大きくなってくると、葉っぱをボロボロにしてしまいます。

発生時期

春先と秋口に発生のピークがあります。日中は地中に棲むので、天敵があまり機能しないのも特徴です。

予防方法

卵を産みつけられてから、孵化すぐの幼虫は地面に潜らず、葉裏に潜みます。この時期に葉っぱごと駆除するのが良いです。

駆除方法

地中にいるヨトウムシ相手に、木酢液や草木灰などを薄めて散布する方法が知られています。また、米ぬかなどでヨトウムシを誘引して殺してしまう方法もあります。


アブラムシ(ダイコンアブラムシ、ニセダイコンアブラムシなど)

新芽にたかり、葉の汁を吸うと共にウイルス病を感染させてしまいます。秋に出るニセダイコンアブラムシは特に、若い株を枯らしてしまうこともあります。昆虫としては珍しく、卵胎生のため自分のクローンをどんどん作り出し、圧倒的な繁殖力を誇ります。

発生時期

翅の生えたメスが飛んで来て、一気に増殖します。初夏にはダイコンアブラムシ、秋にはニセダイコンアブラムシの発生のピークがあります。

予防方法

メスの飛来を防ぐために、シルバーマルチやシルバーテープといった、反射光を使ってブロッコリーへの着地を阻害する方法があります。

駆除方法

少数の個体相手には、牛乳による霧吹きが効きますが、葉の裏にいる個体も多く、目が届かない所も出てしまうのでこまめな措置が必要です。クサカゲロウやテントウムシなど、生物農薬が多く開発されており、こうした益虫を放すことが効果的です。


コナガ

コナガは小菜蛾と書きます。その名の通り、小さいアオムシですが、特に孵化したばかりの幼虫期には葉っぱの中に潜ってしまうという特性があるため、昔から駆除しにくいアブラナ科植物の大害虫です。

発生時期

特に春先と秋口に発生のピークがありますが、年中を通して発生し、条件がそろうと大発生するので注意が必要です。

予防方法

メスによる産卵を防ぐために、株が小さいうちから防虫ネットをかぶせることが有効です。かなり小さい蛾なので、ネットの網目は細かいものである必要があります。

駆除方法

幼虫が孵化してからは、葉っぱの中に潜ってしまうために駆除することが非常に難しいです。こまめに観察し、卵が葉っぱについている場合にはすりつぶして駆除するのが最適です。