ダイコンシンクイムシ(ハイマダラノメイガの幼虫)
成虫は地味なガで、幼虫は茶色いイモムシです。シンクイの名前どおり、株の中心の新芽から食べる性質があり、ミズナの株を一気に枯らしてしまう危険性があります。
発生時期
5月から12月にかけて発生しますが、被害が大きくなるのは8月~10月頃です。南方で発生した個体が、北上してくると考えられています。
予防方法
成虫の飛来を防ぐために、防虫ネットで株を守ってあげることが重要です。
駆除方法
新芽の部分を注意して観察し、食害が会った場合にはただちに幼虫を取り除きます。ほっておくと、すぐにミズナが枯れてしまいます。
アブラムシ(モモアカアブラムシ、ダイコンアブラムシ、ニセダイコンアブラムシなど)
新芽にたかり、葉の汁を吸うと共にウイルス病を感染させてしまい、ミズナの葉を萎縮させます。昆虫としては珍しく、卵胎生のため自分のクローンをどんどん作り出し、圧倒的な繁殖力を誇ります。
発生時期
南方だと、春~秋まで発生します。特に3月には、翅の生えたメスが飛んで来て、増殖が一気に始まります。
予防方法
メスの飛来を防ぐために、シルバーマルチやシルバーテープといった、反射光を使ってカブへの着地を阻害する方法があります。
駆除方法
少数の個体相手には、牛乳による霧吹きが効きますが、目が届かない所も出てしまうのでこまめな措置が必要です。クサカゲロウやテントウムシなど、生物農薬が多く開発されており、こうした益虫を放すことが効果的です。
エカキムシ(ハモグリバエ幼虫)
葉っぱの中に潜り込み、葉肉を食べてしまいます。葉の裏側を好んで食べるため、表側で見えている部分よりも実際の被害が大きくなりがちで、迅速な対応が必要です。
発生時期
春と秋に2回発生のピークがあります。成虫は小さなハエなので、あまり目立ちません。
予防方法
成虫は黄色い物に誘引されますので、黄色い色が着いた粘着版を置いてあげると有効に捕まえることが可能です。
駆除方法
葉の中に侵入するため、防除することが中々難しい害虫です。発生した成虫を確実に捕らえて、次世代を発生させなくするためにも黄色い粘着板を置いてあげるといいでしょう。
ヨトウムシ(ハスモンヨトウなどのヨトウガの仲間の総称)
夜中に地上に出て来て、葉っぱを食害するイモムシなので夜盗虫です。特にミズナだと、シロイチモジヨトウという緑色のイモムシが付く場合が多いです。大きくなってくると、葉っぱをボロボロにしてしまいます。
発生時期
特にシロイチモジヨトウが発生のピークになる秋口の9月~10月に注意が必要です。日中は地中に棲むので、天敵があまり機能しないのも特徴です。
予防方法
卵を産みつけられてから、孵化すぐの幼虫は地面に潜らず、葉裏に潜みます。この時期に葉っぱごと駆除するのが良いです。
駆除方法
地中にいるヨトウムシ相手に、木酢液や草木灰などを薄めて散布する方法が知られています。また、米ぬかなどでヨトウムシを誘引して殺してしまう方法もあります。
コナガ
コナガは小菜蛾と書きます。その名の通り、小さいアオムシですが、特に孵化したばかりの幼虫期には葉っぱの中に潜ってしまうという特性があるため、昔から駆除しにくいアブラナ科植物の大害虫です。
発生時期
特に春先と秋口に発生のピークがありますが、年中を通して発生し、条件がそろうと大発生するので注意が必要です。
予防方法
メスによる産卵を防ぐために、株が小さいうちから防虫ネットをかぶせることが有効です。かなり小さい蛾なので、ネットの網目は細かいものである必要があります。
駆除方法
幼虫が孵化してからは、葉っぱの中に潜ってしまうために駆除することが非常に難しいです。こまめに観察し、卵が葉っぱについている場合にはすりつぶして駆除するのが最適です。