テントウムシダマシ(ニジュウヤホシテントウ、オオニジュウヤホシテントウの2種類。成虫・幼虫を含む)
益虫であるテントウムシに近縁だが、こちらは残念ながら葉を食い荒らす害虫。なのでテントウムシダマシとかモドキと呼ばれる。成虫も幼虫もバリバリと、葉を食べるのでほっておくとあっというまに葉っぱがなくなってしまう大害虫。葉を裏から食べるので、芯だけ残すのが特徴。
発生時期
春から秋まで発生します。成虫で越冬し、4月頃の春先にトウガラシの新芽に来た成虫はそのまま卵を産みつけるので、ほっておくと6月頃には個体数が非常に増えてしまいます。
予防方法
成虫が飛んで来て、トウガラシの葉に卵を植え付けるのでこれを防ぐことが重要です。防虫ネットなどで飛来を防いだり、こまめな観察によって成虫や卵を見つけます。卵がついている葉は取り去ります。
駆除方法
こまめな駆除が一番です。葉の裏を確認して、卵や幼虫がついた葉は切り取ります。成虫は飛んで逃げるため、容器に落とすようにして捕らえ、まとめて殺します。
カメムシ類(アオクサカメムシ、チャバネアオカメムシなど)
あの臭いカメムシの仲間です。彼らは、口がストロー状になっており、なったばかりのトウガラシの実が大好物です。トウガラシに口をつけて吸うことで、実の発育が悪くなったり、株自体の発育も悪くなります。
発生時期
成虫で越冬し、年に2~4世代程度を繰り返します。幼虫も吸汁するため、連続的に被害を繰り返します。
予防方法
飛来を防ぐための防虫ネットが有効です。他のナス科雑草から飛来してきますので、まわりの雑草駆除も重要です。
駆除方法
数が少ないうちに、ガムテープなどを使ってこまめに取り除きましょう。飛来してくるので、油断していると多数来てしまう場合があるので注意が必要です。
アブラムシ(モモアカアブラムシ、ワタアブラムシなど)
新芽にたかり、葉の汁を吸うと共にウイルス病を感染させてしまい、トウガラシの葉を萎縮させます。昆虫としては珍しく、卵胎生のため自分のクローンをどんどん作り出し、圧倒的な繁殖力を誇ります。
発生時期
南方だと、春~秋まで発生します。特に3月には、翅の生えたメスが飛んで来て、増殖が一気に始まります。
予防方法
メスの飛来を防ぐために、シルバーマルチやシルバーテープといった、反射光を使ってカブへの着地を阻害する方法があります。
駆除方法
少数の個体相手には、牛乳による霧吹きが効きますが、目が届かない所も出てしまうのでこまめな措置が必要です。クサカゲロウやテントウムシなど、生物農薬が多く開発されており、こうした益虫を放すことが効果的です。
タバコガ(タバコガ、オオタバコガの総称)
タバコガの名前がついていますが、タバコ以外の野菜の葉もバリバリ食べてしまうタバコガの仲間。トウガラシをエサに選んだ場合、トウガラシの実の中に食い入ってしまうため、とても困った害虫です。実に穴をあけて食い入り、次の実に移るときは新しく穴をあけて出ていきます。
発生時期
春から秋にかけて発生します。
予防方法
害虫用のネットを張ったり、夜間に虫が嫌う黄色い光で照らしてあげて、産卵を防ぐことが効果的な予防となります。また、肥料を多くあげられたトマトをとても好みますので、肥料のあげ過ぎに気をつけて下さい。
駆除方法
トウガラシの実の中に食い入っているタバコガには、木酢液などを用いての駆除は難しいです。穴が一つ空いているトウガラシの実の中には幼虫が潜んでいるので、もぎ取って殺してやるしかありません。ただし、見た目は悪くなりますが、ある程度の量を食べたら出て行ってしまう害虫でもあります。
ダニ(ハダニ)
小さく、緑色のつぶみたいに見えます。葉の汁を吸うだけでなく、ウイルス病を媒介し、葉を枯らしてしまいます。ホウレンソウだと特にチャノホコリダニの寄生により葉っぱが縮れます。増殖能力も極めて高いです。
発生時期
初夏から秋口にかけて、一気に増えます。葉の表面が乾いたような感じに見えます。
予防方法
水に弱く、強めの散水で密度を減らすのが効果的です。またそのため、梅雨時は増殖力が低いです。
駆除方法
少数の時には、牛乳の散布が有効です。他、捕食性の天敵であるカブリダニ類が売られています。また、身体が小さいので粘着材などを利用するのも便利な防除法です。