ダイコンの害虫

アオムシ(モンシロチョウの幼虫)

キャベツの害虫のイメージが強いアオムシですが、同じアブラナ科植物であるダイコンも好みます。葉っぱを食べ尽くしてしまうこともある大食漢です。

発生時期

蛹で越冬し、越冬後の春先と、秋口に数を増やします。畑の上を、白いチョウとして飛ぶので目立ちます。

予防方法

成虫の産卵を避けるために、株が小さいうちから防虫ネットで包んでしまうことが効果的です。葉の裏面にも産卵、小さな幼虫がいますので、防虫ネットをかけるときにはその内側に小さな虫がいないよう気をつけて下さい。

駆除方法

食痕を見つけたら、一匹ずつ幼虫を探して駆除します。葉の色と同じく白味がかっているので注意深く探して下さい。黄色い卵が目立つので、卵を見つけたら潰していきます。


アブラムシ(モモアカアブラムシ、ダイコンアブラムシ、ニセダイコンアブラムシなど)

新芽にたかり、葉の汁を吸うと共にウイルス病を感染させてしまい、ダイコンの葉を萎縮させます。昆虫としては珍しく、卵胎生のため自分のクローンをどんどん作り出し、圧倒的な繁殖力を誇ります。

発生時期

南方だと、春~秋まで発生します。特に3月には、翅の生えたメスが飛んで来て、増殖が一気に始まります。

予防方法

メスの飛来を防ぐために、シルバーマルチやシルバーテープといった、反射光を使ってカブへの着地を阻害する方法があります。

駆除方法

少数の個体相手には、牛乳による霧吹きが効きますが、目が届かない所も出てしまうのでこまめな措置が必要です。クサカゲロウやテントウムシなど、生物農薬が多く開発されており、こうした益虫を放すことが効果的です。


ヨトウムシ(ハスモンヨトウなどのヨトウガの仲間の総称)

夜中に地上に出て来て、葉っぱを食害するイモムシなので夜盗虫です。特にダイコンだと、シロイチモジヨトウという緑色のイモムシが付く場合が多いです。大きくなってくると、葉っぱをボロボロにしてしまいます。

発生時期

特にシロイチモジヨトウが発生のピークになる秋口の9月~10月に注意が必要です。日中は地中に棲むので、天敵があまり機能しないのも特徴です。

予防方法

卵を産みつけられてから、孵化すぐの幼虫は地面に潜らず、葉裏に潜みます。この時期に葉っぱごと駆除するのが良いです。

駆除方法

地中にいるヨトウムシ相手に、木酢液や草木灰などを薄めて散布する方法が知られています。また、米ぬかなどでヨトウムシを誘引して殺してしまう方法もあります。


ナガメ(ナガメ、ヒメナガメの総称)

菜っ葉の汁を吸うカメムシだからナガメです。黒地に赤の縁取りがあり、比較的目立ちます。汁を吸われた葉っぱは白っぽくなり、元気をなくしてしまいます。

発生時期

成虫で越冬し、年に2世代を繰り返します。幼虫も吸汁するため、連続的に被害を繰り返します。

予防方法

飛来を防ぐための防虫ネットが有効です。ナガメは周りのアブラナ科雑草に付く場合もあるので、まわりの雑草駆除も重要です。

駆除方法

数が少ないうちに、ガムテープなどを使ってこまめに取り除きましょう。飛来してくるので、油断していると多数来てしまう場合があるので注意が必要です。


ヤサイゾウムシ

ゾウムシというのは、ゾウの鼻のような長い口を持った甲虫です。ヤサイゾウムシはダイコンの葉をかじり、幼虫はダイコンの根をもかじってしまいます。

発生時期

越冬した成虫が秋ごろから産卵を始めますが、幼虫の孵化はそのまま10月頃と、翌年春の2回あります。それぞれ食害し、初夏にはダイコンを離れて雑草に向い、また秋口にでてきます。

予防方法

成虫は、他の雑草も好みますのでまわりの除草が重要です。また、飛来を防ぐための防虫ネットも有効な防除手段です。

駆除方法

成虫は根際に潜んでいますが、夜間活動するので、夜中にガムテープなどを使って取り除きます。また、根際に隠れ家となる枯れ葉などをわざと置いて、それごと駆除します。単為生殖で、1匹のメスから1000卵以上の卵が産まれるので気をつけましょう。