テントウムシダマシ(ニジュウヤホシテントウ、オオニジュウヤホシテントウの2種類。成虫・幼虫を含む)
益虫であるテントウムシに近縁だが、こちらは残念ながら葉を食い荒らす害虫。なのでテントウムシダマシとかモドキと呼ばれる。成虫も幼虫もバリバリと、葉を食べるのでほっておくとあっというまに葉っぱがなくなってしまい、さらにはナスの実すらかじる大害虫。葉を裏から食べるので、芯だけ残すのが特徴。
発生時期
春から秋まで発生します。ナスでは、初夏の6月頃から飛来して、7-8月に個体数を増やすようです。ほっておくと、世代を繰り返して個体数が非常に増えてしまいます。
予防方法
成虫が飛んで来て、ナスの葉に卵を植え付けるのでこれを防ぐことが重要です。防虫ネットなどで飛来を防いだり、こまめな観察によって成虫や卵を見つけます。卵がついている葉は取り去ります。
駆除方法
こまめな駆除が一番です。葉の裏を確認して、卵や幼虫がついた葉は切り取ります。成虫は飛んで逃げるため、容器に落とすようにして捕らえ、まとめて殺します。
カスミカメムシ(ウスミドリカスミカメムシ、ツマグロアオカスミカメムシなど)
緑色をした弱々しいカメムシ。まだ若い葉っぱの汁を吸い、小さな穴を開けます。葉っぱが成長するのに伴い、穴も大きくなるため植物の成長と共に葉がボロボロになってしまいます。
発生時期
卵で越冬し、年に複数回の発生を繰り返します。畑の周りの雑草でも暮らし、数が増えると野菜に飛来します。
予防方法
畑の周りの雑草から飛来してくるので、それを避けるためにこまめに雑草を抜き取っておくことが重要となります。体が細く、防虫ネットの目の大きさによってはすり抜けてしまうので注意が必要です。
駆除方法
飛翔してきて、新芽が狙われます。移動性が強い昆虫なので、発生したらすぐに畑の周りの雑草を駆除し、飛来元を断ちましょう。
ノメイガ(フキノメイガ)
小さなガで、オスは褐色、メスはクリーム色をしています。ナスの葉に卵を産み付け、孵化した幼虫は茎に入り、茎を内側から食べてしまいます。幼虫が侵入した茎は枯れてしまうので、株に与える影響は大きいです。
発生時期
幼虫で越冬し、年間に数回世代を繰り返しながら増えていきます。ナスでは特に、暑くなってきた6-8月頃の被害が大きいようです。
予防方法
畑の周りの雑草(特に名前通りフキ)で発生し、そこから飛んできます。こまめに雑草を抜き取ってやると共に、防虫ネットなどで飛来を防ぐことが重要です。
駆除方法
成虫は葉の裏に、薄い黄色の卵をかたまりで産み付けます。これを潰して、侵入を防ぎます。幼虫が侵入した茎は残念ながら枯れてしまうので、茎ごと切ってやる防除になってしまいます。
ダニ(チャノコホコリダニなど)
小さく、緑色のつぶみたいに見えます。葉の汁を吸うだけでなく、ウイルス病を媒介し、葉が細長く奇形になったりしてしまいます。また、ナスの実につくと、かさかさした感じで硬くさせてしまい、味を劣化させます。
発生時期
初夏から秋口にかけて、一気に増えます。条件がいいと、卵から親になるまでは一週間程度です。
予防方法
水に弱く、強めの散水で密度を減らすのが効果的です。またそのため、梅雨時は増殖力が低いです。梅雨明けと共に増加しますので、葉っぱの状態をよく見て初期に発生を発見しましょう。
駆除方法
少数の時には、牛乳の散布が有効です。他、捕食性の天敵であるカブリダニ類が売られています。また、身体が小さいので粘着材などを利用するのも便利な防除法です。
ヨトウムシ(ハスモンヨトウなどのヨトウガの仲間の総称)
夜中に地上に出て来て、葉っぱを食害するイモムシなので夜盗虫です。大きくなってくると、葉っぱをボロボロにしてしまいます。ナスは特に、大型のハスモンヨトウが好む野菜で、実まで食べられてしまうことがあります。
発生時期
特に夏の終わりから秋にかけて、大きな被害を受けることが多いようです。日中は地中に棲むので、天敵があまり機能しないのも特徴です。
予防方法
地中にいるヨトウムシ相手に、木酢液や草木灰などを薄めて散布する方法が知られています。また、米ぬかなどでヨトウムシを誘引して殺してしまう方法もあります。
駆除方法
卵を産みつけられてから、孵化すぐの幼虫は地面に潜らず、葉裏に潜みます。この時期に葉っぱごと駆除するのが良いです。