ピーマンの害虫

タバコガ(タバコガ、オオタバコガの総称)

タバコガの名前がついていますが、タバコ以外の野菜の葉もバリバリ食べてしまうタバコガの仲間。ピーマンをエサに選んだ場合、ピーマンの実の中に食い入ってしまうため、とても困った害虫です。実に穴をあけて食い入り、次の実に移るときは新しく穴をあけて出ていきます。

発生時期

春から秋にかけて発生するガですが、ピーマンの場合は7-10月の暑い季節が一番狙われるようです。

予防方法

害虫用のネットを張ったり、タバコガが産卵のために畑に飛来する夜間に虫が嫌う黄色い光で照らしてあげて、産卵を防ぐことが効果的な予防となります。

駆除方法

ピーマンの実の中に食い入っているタバコガには、木酢液などを用いての駆除は難しいです。ピーマンのへた付近に開いた穴を目印として、幼虫が潜んでいるピーマンの実をもぎ取って殺してやるしかありません。


テントウムシダマシ(ニジュウヤホシテントウ、オオニジュウヤホシテントウの2種類。成虫・幼虫を含む)

益虫であるテントウムシに近縁だが、こちらは残念ながら葉を食い荒らす害虫。なのでテントウムシダマシとかモドキと呼ばれる。成虫も幼虫もバリバリと、葉を食べるのでほっておくとあっというまに葉っぱがなくなってしまう大害虫。葉を裏から食べるので、芯だけ残すのが特徴。

発生時期

春から秋まで発生します。ピーマンでは、初夏の6月頃から飛来して、7-8月に個体数を増やすようです。ほっておくと、世代を繰り返して個体数が非常に増えてしまいます。

予防方法

成虫が飛んで来て、ピーマンの葉に卵を植え付けるのでこれを防ぐことが重要です。防虫ネットなどで飛来を防いだり、こまめな観察によって成虫や卵を見つけます。卵がついている葉は取り去ります。

駆除方法

こまめな駆除が一番です。葉の裏を確認して、卵や幼虫がついた葉は切り取ります。成虫は飛んで逃げるため、容器に落とすようにして捕らえ、まとめて殺します。


ダニ(チャノコホコリダニなど

小さく、緑色のつぶみたいに見えます。葉の汁を吸うだけでなく、ウイルス病を媒介し、新芽が縮れて萎縮して芯止まりになってしまう被害がピーマンでは特に多いです。また、ピーマンの実にもつき、見た目を悪くさせます。

発生時期

初夏から秋口にかけて、一気に増えます。条件がいいと、卵から親になるまでは一週間程度です。

予防方法

水に弱く、強めの散水で密度を減らすのが効果的です。またそのため、梅雨時は増殖力が低いです。

駆除方法

少数の時には、牛乳の散布が有効です。他、捕食性の天敵であるカブリダニ類が売られています。また、身体が小さいので粘着材などを利用するのも便利な防除法です。


ダニ(ハダニ)

小さく、緑色のつぶみたいに見えます。葉の汁を吸うだけでなく、ウイルス病を媒介し、葉を枯らしてしまいます。ピーマンだと特に、大量発生すると葉が白っぽくなり、さらには黄色く変わって、落っこちてしまいます。収量に大きな被害を与えます。

発生時期

年中発生しますが、初夏から秋口にかけて、一気に増えます。特に夏に増え、黄色く乾いたような葉っぱがでてきたら要注意です。

予防方法

水に弱く、強めの散水で密度を減らすのが効果的です。またそのため、梅雨時は増殖力が低いです。外部の雑草についている個体が侵入するので、雑草のこまめな駆除や銀色マルチも有効です。

駆除方法

少数の時には、牛乳の散布が有効です。他、捕食性の天敵であるカブリダニ類が売られています。また、身体が小さいので粘着材などを利用するのも便利な防除法です。


アブラムシ(モモアカアブラムシ、ワタアブラムシなど)

新芽にたかり、葉の汁を吸うと共にウイルス病を感染させてしまいます。昆虫としては珍しく、卵胎生のため自分のクローンをどんどん作り出し、圧倒的な繁殖力を誇ります。

発生時期

春~秋まで連続的に発生します。特に春先の4-5月と、秋口の9-10月頃に増えることが多いようです。

予防方法

メスの飛来を防ぐために、シルバーマルチやシルバーテープといった、反射光を使ってピーマンへの着地を阻害する方法があります。

駆除方法

少数の個体相手には、牛乳による霧吹きが効きますが、目が届かない所も出てしまうのでこまめな措置が必要です。クサカゲロウやテントウムシなど、生物農薬が多く開発されており、こうした益虫を放すことが効果的です。