コナダニ(ホウレンソウケナガコナダニ)
非常に小さなダニで、低温かつ湿度が高いと多数発生します。コナダニがつくと、新芽が奇形になってボコボコとこぶを生じさせてしまいます。
発生時期
低温多湿を好むため、1月から6月までの初春と、9月~12月の初冬が一番個体数を増やし、夏には個体数を減らします。
予防方法
コナダニ類は、畑に肥料として加える堆肥などの有機物が大好きです。そのため、これらの使用を控えるか、コナダニが嫌う種類の肥料に変えることが有効です。
駆除方法
少数の時には、牛乳の散布が有効です。他、捕食性の天敵であるカブリダニ類が売られています。また、身体が小さいので粘着材などを利用するのも便利な防除法です。
ヨトウムシ(ハスモンヨトウなどのヨトウガの仲間の総称)
夜中に地上に出て来て、葉っぱを食害するイモムシなので夜盗虫です。大きくなってくると、ホウレンソウの株一株を簡単に食べ尽くしてしまいます。
発生時期
春先と秋口に発生のピークがあります。日中は地中に棲むので、天敵があまり機能しないのも特徴です。
予防方法
卵を産みつけられてから、孵化すぐの幼虫は地面に潜らず、葉裏に潜みます。この時期に葉っぱごと駆除するのが良いです。
駆除方法
地中にいるヨトウムシ相手に、木酢液や草木灰などを薄めて散布する方法が知られています。また、米ぬかなどでヨトウムシを誘引して殺してしまう方法もあります。
ダニ(ハダニ)
小さく、緑色のつぶみたいに見えます。葉の汁を吸うだけでなく、ウイルス病を媒介し、葉を枯らしてしまいます。ホウレンソウだと特にチャノホコリダニの寄生により葉っぱが縮れます。増殖能力も極めて高いです。
発生時期
初夏から秋口にかけて、一気に増えます。葉の表面が乾いたような感じに見えます。
予防方法
水に弱く、強めの散水で密度を減らすのが効果的です。またそのため、梅雨時は増殖力が低いです。
駆除方法
少数の時には、牛乳の散布が有効です。他、捕食性の天敵であるカブリダニ類が売られています。また、身体が小さいので粘着材などを利用するのも便利な防除法です。
アブラムシ(モモアカアブラムシ、ワタアブラムシなど)
新芽にたかり、葉の汁を吸うと共にウイルス病を感染させてしまい、ホウレンソウの葉を萎縮させます。昆虫としては珍しく、卵胎生のため自分のクローンをどんどん作り出し、圧倒的な繁殖力を誇ります。
発生時期
南方だと、春~秋まで発生します。特に3月には、翅の生えたメスが飛んで来て、増殖が一気に始まります。
予防方法
メスの飛来を防ぐために、シルバーマルチやシルバーテープといった、反射光を使ってホウレンソウへの着地を阻害する方法があります。
駆除方法
少数の個体相手には、牛乳による霧吹きが効きますが、目が届かない所も出てしまうのでこまめな措置が必要です。クサカゲロウやテントウムシなど、生物農薬が多く開発されており、こうした益虫を放すことが効果的です。
アザミウマ(ミナミキイロアザミウマ)
小さく黄色い害虫で、葉っぱを食害します。単為生殖で、一匹だけ残っても増えてしまうので油断ができません。
発生時期
初夏の6月頃から、気温が上がるのにつれて数を増やしていき、9月ぐらいまで続きます。一世代が早いため、条件がそろうと連続的に大発生します。
予防方法
周囲の雑草で暮らしている個体が飛来するため、周りの雑草をこまめに引きぬくことが重要です。また、シルバーマルチやUVカットフィルムなどにより、メスの飛来を避ける事ができます。
駆除方法
微小な昆虫のため、人力による駆除は極めて難しいです。天敵農薬として、ヒメハナカメムシや肉食性のアザミウマであるアリガタシマアザミウマが販売されており、これらは効果的にアザミウマを捕食します。