ニンニクの害虫

ネギコガ

小さな黒っぽいガで、ニンニクの葉の部分に産卵し、葉の内側から表皮を残して食い荒らします。食べ痕は、白い筋状に見えます。葉の中に潜るために、手による駆除が難しくなります。

発生時期

春先から夏にかけて、数回の発生のピークを迎えます。

予防方法

メスによる産卵を防ぐために、株が小さいうちから防虫ネットをかぶせることが有効です。かなり小さい蛾なので、ネットの網目は細かいものである必要があります。

駆除方法

幼虫が孵化してからは、葉っぱの中に潜ってしまうので防除が難しくなってしまいます。


センチュウ(イモグサレセンチュウなど)

ニンニクなどのりん片に寄生し、寄生したりん片を腐らせてしまいます。土中に潜み、一回発生すると完全な駆除が非常に難しいとてもたちの悪い害虫です。

発生時期

寄生しているニンニクのりん片中で暮らしており、地面に植えることで活動を開始します。

予防方法

センチュウに寄生されているニンニクのりん片を植えてしまうと、周りのニンニクも芽がでないか、すぐに枯れてしまうために気づきます。寄生されていないニンニクのりん片を植えることが必要です。

駆除方法

ニンニクが腐るような症状を見せてからだと、防除することができなくなってしまいます。


ダニ(チューリップサビダニ)

ニンニクのりん片に寄生し、汁を吸ってしまいます。また、ウイルスを媒介し、生育中の葉っぱを奇形にさせます。収穫後に保存していると一気に増え、味を劣化させるとともに見た目を悪くさせてしまいます。

発生時期

短期間で世代を繰り返し、ニンニクのりん片中で増えていきます。収穫されて、乾燥した環境下だと一気に増えます。

予防方法

ダニに寄生されているりん片を植えると、そこから広がってしまいます。りん片を植える時に、ダニに汚染されていないことを確認する必要があります。

駆除方法

ごく小さなダニで、葉っぱに付いているときは数が少なかったりすると見つけることが困難です。収穫したニンニクで見つけた場合は、ただちに付着している物を処分しないと周りに広がります。


ネギアザミウマ

成虫、幼虫ともにネギの仲間に寄生し、口から植物の汁を吸ってしまいます。植物を弱らせるだけではなく、ウイルス病なども媒介します。更に、収穫後のニンニクでも暮らせるので注意が必要です。単為生殖で増えるので、油断をすると一気に大爆発します。

発生時期

特に夏に一気に数が増えることがあります。とても小さな昆虫なので、大発生する前は気づきにくくもあります。発生して個体数が増えると、葉っぱがくすんで汚れたように見えます。

予防方法

成虫が侵入するのを防止するために、防虫ネットを貼ったり、もしくは光による防除効果が高いことが知られています。後者は、紫外線カットフィルムや、光反射マルチなどを準備することで効果が高まるようです。

駆除方法

大発生して密度が高くなると、完全な防除が難しい害虫です。数が少ないうちに、捕食性の天敵であるカブリダニ類などを用いて防除するのが適しているでしょう。


アブラムシ(ネギアブラムシ)

新芽にたかり、葉の汁を吸うと共にウイルス病を感染させてしまいます。昆虫としては珍しく、卵胎生のため自分のクローンをどんどん作り出し、圧倒的な繁殖力を誇ります。ニンニクにつくのは、黒い「ネギアブラムシ」が多いです。

発生時期

南方だと、春?秋まで発生します。特に3月には、翅の生えたメスが飛んで来て、増殖が一気に始まります。

予防方法

メスの飛来を防ぐために、シルバーマルチやシルバーテープといった、反射光を使って玉ねぎへの着地を阻害する方法があります。

駆除方法

少数の個体相手には、牛乳による霧吹きが効きますが、目が届かない所も出てしまうのでこまめな措置が必要です。クサカゲロウやテントウムシなど、生物農薬が多く開発されており、こうした益虫を放すことが効果的です。