トマトの害虫

タバコガ(タバコガ、オオタバコガの総称)

タバコガの名前がついていますが、タバコ以外の野菜の葉もバリバリ食べてしまうタバコガの仲間。トマトをエサに選んだ場合、トマトの実の中に食い入ってしまうため、とても困った害虫です。実に穴をあけて食い入り、次の実に移るときは新しく穴をあけて出ていきます。

発生時期

春から秋にかけて発生するガですが、トマトの場合は梅雨時が一番狙われるようです。

予防方法

害虫用のネットを張ったり、夜間に虫が嫌う黄色い光で照らしてあげて、産卵を防ぐことが効果的な予防となります。また、肥料を多くあげられたトマトをとても好みますので、肥料のあげ過ぎに気をつけて下さい。

駆除方法

トマトの実の中に食い入っているタバコガには、木酢液などを用いての駆除は難しいです。穴が一つ空いているトマトの実の中には幼虫が潜んでいるので、もぎ取って殺してやるしかありません。ただし、見た目は悪くなりますが、ある程度の量を食べたら出て行ってしまう害虫でもあります。


テントウムシダマシ(ニジュウヤホシテントウ、オオニジュウヤホシテントウの2種類。成虫・幼虫を含む)

益虫であるテントウムシに近縁だが、こちらは残念ながら葉を食い荒らす害虫。なのでテントウムシダマシとかモドキと呼ばれる。成虫も幼虫もバリバリと、葉を食べるのでほっておくとあっというまに葉っぱがなくなってしまう大害虫。葉を裏から食べるので、芯だけ残すのが特徴。

発生時期

春から秋まで発生します。成虫で越冬し、4月頃の春先にトマトの新芽に来た成虫はそのまま卵を産みつけるので、ほっておくと6月頃には個体数が非常に増えてしまいます。

予防方法

成虫が飛んで来て、トマトの葉に卵を植え付けるのでこれを防ぐことが重要です。防虫ネットなどで飛来を防いだり、こまめな観察によって成虫や卵を見つけます。卵がついている葉は取り去ります。

駆除方法

こまめな駆除が一番です。葉の裏を確認して、卵や幼虫がついた葉は切り取ります。成虫は飛んで逃げるため、容器に落とすようにして捕らえ、まとめて殺します。


ヨトウムシ(ハスモンヨトウなどのヨトウガの仲間の総称)

夜中に地上に出て来て、葉っぱを食害するイモムシなので夜盗虫です。大きくなってくると、葉っぱをボロボロにしてしまいます。トマトの場合には、実を外側からかじってしまうので、見た目にも大きな影響を与えます。

発生時期

春先と秋口に発生のピークがあります。日中は地中に棲むので、天敵があまり機能しないのも特徴です。

予防方法

卵を産みつけられてから、孵化すぐの幼虫は地面に潜らず、葉裏に潜みます。この時期に葉っぱごと駆除するのが良いです。

駆除方法

地中にいるヨトウムシ相手に、木酢液や草木灰などを薄めて散布する方法が知られています。また、米ぬかなどでヨトウムシを誘引して殺してしまう方法もあります。


ダニ(ハダニ)

小さく、緑色のつぶみたいに見えます。葉の汁を吸うだけでなく、ウイルス病を媒介し、葉を枯らしてしまいます。トマトだと特に、大量発生すると葉が黄色く変わって、落っこちてしまいます。収量に大きな被害を与えます。

発生時期

初夏から秋口にかけて、一気に増えます。特に夏に増え、黄色く乾いたような葉っぱがでてきたら要注意です。

予防方法

水に弱く、強めの散水で密度を減らすのが効果的です。またそのため、梅雨時は増殖力が低いです。

駆除方法

少数の時には、牛乳の散布が有効です。他、捕食性の天敵であるカブリダニ類が売られています。また、身体が小さいので粘着材などを利用するのも便利な防除法です。


アザミウマ(ヒラズハナアザミウマ、ミナミキイロアザミウマ)

トマトの花に産卵し、花粉が大好物です。この被害を受けると、トマトの実に白ぶくれ病という病気が発生する可能性があります。またさらに、どんどん増えていくこの虫はトマトの葉にも病気を感染させてしまうので、早めの駆除が必要です。

発生時期

初夏の6月頃から、気温が上がるのにつれて数を増やしていき、9月ぐらいまで続きます。一世代が早いため、条件がそろうと連続的に大発生します。特に、トマトの花の時期には注意が必要です。

予防方法

周囲の雑草で暮らしている個体が飛来するため、周りの雑草をこまめに引きぬくことが重要です。また、シルバーマルチやUVカットフィルムなどにより、メスの飛来を避ける事ができます。

駆除方法

微小な昆虫のため、人力による駆除は極めて難しいです。天敵農薬として、ヒメハナカメムシや肉食性のアザミウマであるアリガタシマアザミウマが販売されており、これらは効果的にアザミウマを捕食します。